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2004.07.11

正義の報い

You did commit me:
For which, I do commit into your hand
The unstained sword that you have used to bear;

あなたは皇太子である私を獄卒の手にゆだねた。
そのむくいとして、あなたが帯びてきたその汚れ無き正義の剣を、
再びあなたの手にゆだねよう。

Henry IV, Part II, Act 5, Scn. 2


ヘンリー四世の死によって、Englandの王位には長男ハル王子がつく事になる。ハル王子の放蕩ぶりを知る貴族達は国の将来を憂いていた。特に、大法官は、かつてハル王子を牢獄に放り込んだ事があるので、国と自分の未来に暗いものを感じていた。
そこに、即位したハル王子すなわちヘンリー五世が現れ、大法官に向かって自分を牢獄にいれた事を厳しく咎めた。大法官は、絶望のなか自分の最後の言葉として、それが法と王の権威を護るための正義の行いであったことを、主張する。
するとヘンリー五世は、意外な事に大法官の言葉を受け入れ、そして上のセリフをいって、司法の大権を再び大法官にゆだねる事を宣言する。思慮の豊かなあなたの言葉に従って行動していこう、という言葉とともに。


英仏百年戦争の英雄ヘンリー五世は、皇太子時代にはたちの悪い連中といっしょに放蕩の限りをつくしていて、父王ヘンリー四世の心を悩ませていました。その放蕩は、実は人間を理解するための勉強であり、即位と同時に、大法官に司法の大権をあたえ、かつての放蕩仲間を追放し、王としての自覚を示します。バカ王子ハルの衣を脱ぎ捨て、England王としてたつ意志、それを最初に示したのが上のセリフです。

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