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2005.03.25

友への思い

また、本の話。
北方謙三 「三国志」(ハルキ文庫)


呂布軍の幕下には陳宮というすぐれた人物がいました。
呂布軍の軍師であり、兵站の責任者であり、かつ領地の民生の責任者でありました。つまり、呂布軍では、戦闘以外の全てを引き受けていたといってもいいでしょう。

当然呂布の臣下ですが、「北方三国志」では、武神呂布の陳宮への思いを、他の三国志作品とは少し違った表現をしています。

たとえば、

袁術軍15万との決戦を前に、優れた文官ゆえに不安にかられる陳宮に対し、呂布はこういいます。

「なあ、陳宮。俺達はえん州を奪り損なってから、流浪を続けてきた。また流浪に戻ったとしても、本当は失っていないのだ。そう言い聞かせて、開き直れ」

「三国志 三の巻」(ハルキ文庫)から引用


また、劉備が、ある事について呂布を説得に訪れ、二人きりで話しているときの呂布の言葉です。

「馬がいて、戟がある。鎧を着て、敵と向かいあう。それが戦(いくさ)のすべてだ、と俺は思っている。そこで俺は生きている。だから戦をするのだ、劉備殿。それではいかんと言うのだろうが、俺には陳宮がいる。戦の意味は陳宮が考えてくれる。」

「三国志 三の巻」(ハルキ文庫)から引用

間違いなく陳宮は呂布の臣下です。しかし、これらの言葉は、主君から臣下へのものではなく、信頼する友への言葉でしょう。「北方三国志」での陳宮は、呂布の唯一の友でありました。

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