2006.08.26

真の支配者

Whereby I see that Time's the king of men,
He's both their parent, and he is their grave,
And gives them what he will, not what they crave.

それ故、時こそが人間の支配者であろう。
時が人間を生みだすが、時が人間を死にも追いやる。
そして、時は与えたいものを人にあたえるが、人が本当に欲しい物は与えてくれないのだ。

Pricles, Prince of Tyre, Act 2, Scn. 3 .

亡命中に嵐によりすべてを失ったペリクリーズは、名君サイモニディーズが治める平和の国ペンタポリスにながれつく。宮中で行われた剣術試合に参加したペリクリーズは、サイモニディーズの姿に亡き父の姿をみ、偉大な父とすべてを失った今の自分とを比べて、時の流れに翻弄される我が身を嘆いて上のようにつぶやく。
しかし、ペリクリーズとその家族は、残酷な時の流れの中でも誇りと誠実さを失わず、最後には神の導きともいえる幸福を得ます。

人は時には勝てないけれど、人生に誠実さを失わなければ、敗北することもないのかもしれません。下の良寛さんの言葉にも、つながっていく部分があるような気がしています。直接ではないにしても。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2005.12.03

自由をください

But release me from my bands
With the help of your good hands:
Gentle breath of yours my sails
Must fill, or else my project fails,
Which was to please.

この捕らわれの境遇から
皆様の拍手によって解き放してくださいますよう。
皆様のやさしい息を順風として、私の帆を
はらせてくださいませ。
(ピーターミルワード訳 講談社学術文庫747)

The Tempest, Act 5, Scene 1


Tempestの最後の場、エピローグから。

芝居が大団円を迎えたあと、主役のプロスペローを演じた俳優が一人で舞台にたち、観客にむかって語ります。
芝居という魔法の島に捕らわれている自分、もはや魔法の力もなくなった自分をどうか自由にしてほしいと、グローブ座のお客にむかって切々と訴えます。

TempestはShakespear最後の作品といわれています。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2005.09.02

人それぞれ

Time travels in divers paces with divers persons.

時は、人それぞれの早さで進む。
As you like it

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2005.07.02

友情を疑うとき

Friendship is constant in all other things
Save in the office and affairs of love:

友情は常にかわらず信頼できる。
ただ色恋の事をのぞけば。

Much Ado About Nothing Act II, Scn.1

恋のまえに、もろくもくずれる友情。

ドン・ペドロの忠実な家臣である若き貴族クローディオは、土地の領主レオナートの娘ヒーローを愛している。主君ドン・ペドロは、クローディオのために仲介を買ってで、ヒーローに結婚を承諾させることを約束する。しかし、ドン・ペドロが自分自身のためにヒーローをくどいていると思い込んだクローディオは、恋を前にしたときの友情のもろさをなげく。自分でヒーローに話さなかった事を後悔しながら。

結局誤解はすぐとけ、クローディオは愛するヒーローを手にいれることができます。クローディオは勇敢な戦士ですが、すこしアホで、彼の勘違いから悲劇がおきてしまいます。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2005.07.01

汝の名は

YOUNG SIWARD:
What is thy name?

MACBETH:
Thou'lt be afraid to hear it.

YOUNG SIWARD:
No; though thou call'st thyself a hotter name
Than any is in hell.

MACBETH:
My name's Macbeth.


「貴様の名は?」
「聞けば怖じ気づくぞ」
「きさまが地獄のどんな悪魔の名で呼ばれていようと、怖じ気づくものか」
「我が名はマクベス」

Macbeth, Act V, Scn. 7


亡びを目前にし、ひとり居城の暗やみに立つマクベス。城に突入したシーワードによって誰何される。自暴自棄にありながら、若いシーワードと対決することによって、猛将マクベスの誇りをしばしとりもどした瞬間。
しかし、このあとマクダフとの対決によって、自分が魔女どもにだまされていただけであったことに気づき、深い絶望と恐怖の中で死をむかえる。


存在感のある役者が重厚な声でつぶやくこのセリフは、ライオンのごとき猛将マクベスのこれまでの栄光がこめられているようです。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2005.05.27

誤りの中の真理

There is some soul of goodness in things evil,
Would men observingly distil it out.


邪悪な事の中にも何らかの善が含まれているものだ。
だから見逃す事なく引き出すがよい

Henry V, Act 4 Scn 1

だから人の意見を聞き、議論する価値があるんだな。


「おのおの聞く事をすみやかにし、語る事を遅くし、怒る事を遅くせよ。」
新約聖書 ヤコブ 1の19

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2005.05.03

未来が今よりましとはかぎらない

but an hour ago since it was nine,
And after one hour more 'twill be eleven;
And so, from hour to hour, we ripe and ripe,
And then, from hour to hour, we rot and rot;

(今は10時だ。)しかし、1時間前は9時であった。
そして1時間後には11時になるだろう。
かくして刻々と人は成熟しつづけ、
同時に刻々と腐りつづける。

As you like it: Act 2, Scene 7


昔は、40歳になれば大人になっているものと思っていたけれど、
でも、時がどれだけながれたとてましな人間になっていくわけではなさそうだ。
せめて腐らないように。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2005.04.29

耳をかたむけるだけ

Give every man thy ear, but few thy voice Take each man's censure, but reserve thy judgement.

だれの言葉にも耳を傾けよ、しかし、多くは語るな。
だれの考えでも取り入れよ、しかし、自らの考えは秘めておけ。
(thy = your)

Hamlet ACT 1, Scn 3.

宰相ポローニアスが、息子のレアティーズにおくった言葉。
この場面は有名な格言がたくさんでてきます。たとえば「金を貸すと、金も友情も両方うしなう。」とか。
有益な言葉ではありますが、しかし、このポローニアスはどうにも俗物で、いっている言葉につりあいません。見ている側には、その言行不一致がおもしろくうつります。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2005.02.16

沈黙

The rest is silence.

後は、沈黙。

Hamlet, Act 5 Scean 2


死に行くハムレットの最後の言葉。
苦しい息のなか、正当なデンマーク王位継承者として、フォーティンブラスに王位を譲る事を宣言したハムレットは、沈黙を残していきたえる。

「言葉、言葉、言葉」で綴られたこの作品の最後が「沈黙」とは。
正直なところ、この沈黙の真意は理解できていません。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2004.10.16

最初の一言:マクベス

First Witch:
When shall we three meet again In thunder, lightning, or in rain?

Second Witch:
When the hurlyburly's done,
When the battle's lost and won.

Third Witch:
That will be ere the set of sun.


魔女1「我ら三人、次はいつ合うとしようか?雷の中、稲妻光る中、それとも嵐の中か?」
魔女2「このごたごた騒ぎが収まって、そしてこの戦いに負けて勝った時。」
魔女3「それは太陽が沈む前」

Macbeth, Act 1, Scn. 1


名作マクベスの冒頭。
舞台でも映画でも、暗やみの中でうごめく魔女三人のシーンではじまります。
名言ではないけれど、「戦いに負けて勝った時」というあいまいで混沌とした状況は、この作品を通じてかわりません。テーマといってもいいでしょう。


| | Comments (0) | TrackBack (0)